美容院でのカラーリング・ホームカラーに関わらず、カラーリングの薬剤には化学物質が含まれているため、アレルギー発症のリスクがつきもの。
年齢や体調、女性の場合はホルモンバランスの影響によってリスクはさらに高くなります。
でも、各成分がどんな特性を持っているかを知っておくことで、危険を回避できる場合もあるでしょう。
そこでこの記事では「アレルギー発症のリスクがある成分」をご紹介。
美容院でのヘアカラーだけでなく、無添加と記載されている商品にも含まれている可能性があるため、ぜひチェックしてください。
アレルギー発症のリスクがある成分
ヘアカラー剤に含まれることが多い成分をピックアップしました。
パッチテストで反応が見られなくても、実際に使ってみたらアレルギーを発症する恐れもあります。
リスク管理の面でも、アレルギー発症の恐れがある成分は把握しておきましょう。
防腐剤
パラベンミックス
化粧品に最も頻繁に使われている防腐剤で、24種類のジャパニーズスタンダードアレルゲンのひとつに指定されている混合物で、以下の成分で構成されています。
- パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)
- パラオキシ安息香酸エチル(エチルパラベン)
- パラオキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)
- パラオキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン)
- パラオキシ安息香酸ベンジル(ベンジルパラベン)
防腐剤として使用される名前と、国際的な化合物の名前を持っています。
細菌やカビの発生を防いでくれる役割を持ちますが、皮膚に直接つける化粧品では古くからアレルギーの問題も多く、配合量を調整することで安全性が保たれています。
メチルイソチアゾリノン、イソチアゾリノン
化粧品やスキンケア製品にも使われている防腐剤で、洗い流すタイプのシャンプーやリンスに含まれます。
パラベンに代わり使われるようになった防腐剤で、2004年以降から、乳液やクリームなどの洗い流さない製品にも使用されるようになりました。
ところが、2010年頃から接触皮膚炎の報告が世界的に相次ぎ、洗い流さない製品への使用は自主規制するよう指定されています。
染料
パラフェニレンジアミン(PPD)
ヘアカラー剤(酸化染毛剤)に含まれる代表的な染料です。
接触皮膚炎を生じた人の陽性率が圧倒的に高いものの、染毛力が優れているためニーズが多い成分。
製造側にとっては究極の染料といえますが、安全な染毛剤が開発されるまでは今後も使われるでしょう。
かぶれなどの症状だけでなく、アナフィキラシーショックを起こす原因にもなる刺激の強い成分のため注意が必要です。
p-アミノフェノール (p-Aminophenol)、メタ-アミノフェノール (m-Aminophenol)
p-アミノフェノールは、酸化することで発色する「酸化染料」とも呼ばれる成分。
メタ-アミノフェノールは他の染料と混ざることで発色する役割を持ち、どちらもヘアカラーや白髪染めなどの医薬部外品に配合されています。
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれだけでなく、眼への刺激や喘息又は呼吸困難を起こすおそれもあり、生殖能や胎児への悪影響を及ぼすおそれもあるとされています。
仕上がりの面では希望を満たしてくれるかもしれませんが、皮膚への影響だけでないため、できるだけ避けたい成分です。
レゾルシン
染料中間体と合わさることで発色する、ベンゼンスルホン酸から化学合成で作られる有機化合物の一種。
「レゾルシノール」ともいい、防腐剤、殺菌剤、鎮痛剤、染料として用いられる成分です。
他の染料と反応して発色するカプラーの役割も持っていますが、刺激性や毒性があり頭皮細胞にダメージを与える可能性があるため、使用はなるべく控えたい成分です。
界面活性剤
コカミドプロピルベタイン
「ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液」とも呼ばれる成分で、 かゆみや湿疹の症例があります。
洗浄剤の刺激を緩和したり、泡立ちを良くするのが目的で、日本のシャンプーにも多く配合されています。
美容院で働く美容師にも発症した例もあり、注意が必要です。
過酸化水素水
消毒液として使われる「オキシドール」と呼ばれる成分です。
メラニンを脱色する役割と、パラフェニレンジアミンを酸化させて発色させる酸化剤の役割を果たしています。
アルコールでかぶれる人は要注意です。
香料
使い心地を良くするために配合される香料も、化学物質です。
天然成分由来でもアレルギーのリスクがあるため、パッチテストが重要な役割を持つ理由でもあります。
香水や柔軟剤の香りが苦手な人は、無香料のものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
この記事では「アレルギー発症のリスクがある成分」をご紹介しました。
美容院やカラー剤を販売するメーカーにもアレルギーによる注意喚起を行う義務はありますが、消費者自身もリスク管理をするべきです。
刺激を感じた場合は、なるべく早く医師の診断/手当を受けましょう。
自分の身はもちろん、家族の健康を守るためにもぜひ参考にしてください。
コメント